薬学部の第二外国語でおすすめは何?←中国語です【経験から理由を言います】

こんにちは、あゆみです。

以前は薬剤師として働いていましたが、現在はフリーランスで中国語翻訳の仕事をしています。中国語は26歳の時から学び始めました。

先日、読者さんから下記の質問をいただきました。

薬学部の第二外国語は何がおすすめですか?

 

私の回答は、ずばり中国語です。

理由は、仕事の幅が広がるからです。

薬剤師が嫌になっても、語学をいかして食べていく道を選ぶことも可能です。

私が学生のころは、ドイツ語とフランス語しかありませんでした。現在は中国語、韓国語を学べる大学もあるようです。選択肢が広がったのはチャンスです。

以下、かなりの部分、私の経験ベースでお話していますので、参考になると思います。

私がいいたいことは、

いまある「時間」というメリットを最大限利用して、将来につなげるスキルを身に着けよう

 

という話です。そのきっかけの1つになるのが第二外国語です。

 

※この記事は、第二外国語を将来に活かしたいと考えている方に向けて書いています。とりあえず単位を取りたいという方には役立ちませんので、ぺージを閉じてくださいm(_ _)m



薬学部の第二外国語は中国語がおすすめ

在学中または卒業後のキャリアにつなげたい場合は、中国語にしましょう。

※単位をとりあえず取りたいという理由の場合は、フランス語でもドイツ語でも構いません。

理由:仕事の幅が広がるから

これにつきるのですが、もう少し詳しくかきます。

より具体的な理由

①翻訳・通訳の仕事につながる

②在学中から稼げる可能性がある(かなり努力すれば)

③他の薬剤師と差別化できる

 

1つずつみていきます。

①翻訳・通訳の仕事につながる

これは私の経験から断言できることです。

薬剤師が中国語できると、語学を使う業界で薬剤師の資格も役立ちます。

ドイツ語、フランス語でも同じじゃないの?といわれるかもしれません。

ポイントは、中国から治療のために来日する人が増えていることです。

この数が、他言語よりも多いのが中国語特有の事情です。

卒業後に薬剤師とは異なる仕事につきたい時、中国語が役立つ可能性です。

以下、私の経験を交えて説明します。

【経験その1】医療通訳

まずこのデータをみてください。

訪日外国人の数は増えつづけていますね。

それに伴い増えているのが、観光中の怪我で発生する医療通訳です。

医療通訳には、病院が通訳者を常駐させるパターンと、病院が通訳を必要とするときだけ利用する電話通訳があります。

後者の電話通訳は、いわゆる遠隔通訳です。病院が専門エージェントと提携します。

そして近年、電話通訳が伸びています。

理由は簡単です。

いつ発生するかわからない状況をカバーするために常に通訳者を常駐させる場合と、必要なときだけ通訳費用が発生する場合とでは、病院側の負担が違いますよね。

同じ病院に複数の外国人が同時に来ることもあります。通訳者が常にいるとしても、対応できるとは限りません。

これに対し、電話通訳では電話がつながれば、エージェントに登録している通訳者とつないでもらえるので、通訳待ちになることはあまり考えられません(マイナー言語ではありえますが、中国語ではその可能性は低いです)。

私も以前、中国語の電話医療通訳を定期的に受けていました。

薬学部で学んだことをいかせる場は、薬剤師・研究職だけではないのです。

 

【経験その2】医療翻訳(現在進行中)

医療翻訳は、私が現在もいただいている仕事です。

翻訳するのは、中国人患者が中国の病院で受けた医療内容が書かれているカルテです。4年前からこの仕事をしていますが、依頼をいただく件数は年々増えています。

👇たとえば、このようなドキュメントを翻訳します。

※ネット上にあったものを掲載しています。実際にいただく案件情報は口外できません。

出典:纵览新闻

 

※ここでお話しているのは、人間ドッグなど検診目的で来日するものではなく、治療目的で来日するケースです。

 

2020年には東京オリンピックもありますし、医療技術は伸びていくため、今後も日本に治療にやってくる中国人は増えていくはずです。

ここで、医療通訳と違う点が1つあります。

医療通訳は、日本で怪我をして治療するのがメインです。

医療翻訳は、中国ですでに疾患をかかえていて、治療orセカンドオピニオンを求めてくるケースがメインです。

 

いわゆる医療ツーリズムといわれるものとは異なります。そのため、重症疾患や難病が多く、決して簡単ではありません。しかし、一度スキルを身に着ければ、長く稼げる手段になります。

次で書きますが、上記で紹介した通訳・翻訳は努力次第では、在学中から始めることができます。

 

②在学中から稼げる可能性がある

本業の勉強と並行させるのは大変ですが、かなり努力すれば、在学中から翻訳または通訳で仕事をいただける可能性があります。

平日は実習やレポート作成、専門講義で忙しいですが、土日に1日10時間がっつり中国語をやれば、在学中に翻訳するレベルまでもっていけます。

もし在学中に稼ぐのが難しくても、在学中に取得した中国語は、キャリアにいかせるスキルになります。

飲食店などでアルバイトを経験することも、良い経験になりますが、スキルを身に着けるという点では、英語以外の言語を、仕事に使えるレベルになるまで磨いておくことは大変有効です。

薬学部は忙しいですが、土日の時間、朝の時間は使えるはずです。

正直なところ、今小さい子供がいて働いている立場からすると、薬学生でもかなりの時間を作り出せます。

 

③他の薬剤師と差別化できる

英語のできる薬剤師はいますが、英語以外の言語ができる薬剤師はあまりいません。

※ここで「できる」とは、書いたり、読んだり、話したり、聞いたりのほか、仕事で使えるレベルで習得していることを意味します。

中国語ができることは、差別化のチャンスです。

ぱっと考えられるメリットは、

・名刺を差し出したとき、「中国語×薬剤師」と書いてあると驚かれる

・掛け合わせの法則で、経験値の低さをカバーできる

・仕事の幅が広がる(「①翻訳・通訳の仕事につながる」参照)

 

私が通訳・翻訳の仕事をはじめたときに、まさに「掛け合わせの法則で、経験値の低さをカバー」しました。

未経験でしたが、「薬剤師」×「中国語」という2つの武器をもっていたので、翻訳の初仕事を獲得できました。

誤解のないように書いておきますが、「薬剤師」と「中国語」があれば、仕事ができるわけではありません。

私の場合は、社会人になってから中国語を学びましたが、仕事につなげるまでに、約2年の猛勉強期間がありました。

 



薬学生の傾向(私の出身大学を参考に)

私は東京理科大学薬学部に入学しました(4年制のころ)。

当時の情報になりますが、薬学生の傾向をお話します。

理科大(当時)の第二外国語は、ドイツ語とフランス語のみでした。

結果、

ドイツ語を選んだ学生:9割以上

フランス語を選んだ学生:10人くらい

 

ほとんどの学生がドイツ語を選んでいました。私はフランス語を選びました。

薬学部の第二外国語は、授業に出ていれば単位をとるのは簡単です。専門ではない授業は、厳しくありません(専門講義は非常にシビア)。

ドイツ語を選んだ学生の中には、「カルテがドイツ語だから」という理由で選んだ人もいたようでした。

しかし、私はこれまでCRA、別の仕事を通じて、何度も病院でカルテを閲覧していますが、ほぼ100%日本語でした。手書きはほぼなく、すべて電子カルテです。

ドイツ語がわからないとカルテが読めないということは、あまり考えられないと思います。

もし進学される薬学部に中国語があるなら、中国語がおすすめですよ。

 

漢方との関係について補足

今回は私の通訳・翻訳の経験をベースにお話ししました。

中国語ときくと、「漢方」を連想される方もいると思います。

正直なところ、私は漢方を学ぶのは好きではありませんし、実際の仕事で、漢方が登場する割合は全体のごく一部です。

漢方以上に、西洋医学を中心とする最新の治療方法が登場することが多いです。

今後、バイオ・医療の最先端情報をキャッチする上でも、中国語は強みになると思います。

 

まとめ

第二外国語に中国語があるなら、中国語にするのがおすすめ、というのが私の考えです。

理由は、

翻訳・通訳の仕事につながるから

在学中から稼げる可能性があるから(かなり努力すれば)

他の薬剤師と差別化できるから

 

この記事を読んで、中国語をもっと真剣に勉強してみたいなと思った方はこちらの記事もご覧ください。

 

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